2008年10月26日日曜日

関節拘縮診断

皮膚性拘縮  伸展により皮膚蒼白となる。
骨・軟骨性拘縮 レントゲン所見で狭小化など
筋・腱性拘縮 動的腱固定効果陽性 2ヶ月のリハビリで改善なければ腱剥離・筋伸展術
関節包性拘縮 動的腱固定効果陰性 2ヶ月のリハビリで改善なければ関節乖離術
深筋膜性拘縮 母指の内転拘縮 2ヶ月のリハビリで改善なければ筋膜切離

拘縮の原因と特徴
外傷性拘縮
1)浮腫に起因する拘縮
MP関節伸展拘縮:関節液の貯留、側副靱帯と関節包の浮腫により伸展拘縮を来す。および、手背部分での伸筋腱の緊張の増加によって症状を増強する。
PIP/DIP関節屈曲拘縮:MP関節伸展拘縮によって屈筋腱の緊張が増加、かつ伸筋腱の緊張が低下することによってPIP,DIP関節の屈曲をきたす。
慢性に経過すると、PIP関節の掌側板両側から中節骨中央にのびる靱帯が拘縮をきたし、症状を固定する。
母指内転拘縮
手関節屈曲拘縮

2)骨折に起因する筋短縮、腱癒着による拘縮
骨折に起因する血腫の器質化に伴い、伸筋腱の癒着を生じやすい。
この拘縮の特徴は、動的腱固定効果を呈することである。

手背部伸筋腱癒着によるMP,PIP関節伸展拘縮:中手骨骨折に伴い伸筋腱が手背で癒着してMP,PIP関節伸展拘縮を呈する。
骨間筋短縮による拘縮:中手骨間のコンパートメント症候群により骨間筋の癒着を生じる。骨間筋はMP関節掌側をとおり、lateral bandに移行するため、拘縮によりMP関節屈曲、PIP関節伸展を呈する(intrinsic plus拘縮)。

屈筋腱癒着によるMP/PIP関節屈曲拘縮:前腕部で屈筋腱が癒着している場合は指関節の屈曲拘縮を呈し、手関節をさらに屈曲すると指関節伸展が可能となる動的腱固定効果が認められる。
屈筋腱が手掌部で癒着するとMP/PIP関節の屈曲拘縮をきたし、MP関節をさらに屈曲するとPIP関節の伸展が可能となる動的腱固定効果が認められる。

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